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「エホバの証人」についての情報サイト

2008年5月23日

悪霊と闘うーエホバの証人内部に見られる「悪霊信仰」の分析 ①

このサイト内では繰り返し言及されていることですが、エホバの証人信者のひとつの大きな特徴は「信仰心が強く現実の日常生活にもその信仰を反映させようとする」という点にあるのではないかと思います。今回はそうしたエホバの証人信者の強い信仰のうち、ひとつの特殊な側面である「悪霊の存在に対する信仰心」という面について、少し分析を加えてみたいと考えています。

エホバの証人の個々の信者の人たちは、自分たちのこの物質世界のほかに「目に見えない霊の世界」が存在すると真剣に信じています。その「霊の世界」には当然、神とその使いである天使たち(エホバの証人は「み使い」と表現する)が存在するわけですが、それら「善の霊者たち」以外に、悪魔とその使いである悪霊(エホバの証人は「あくれい」と発音する)もまた存在し、この現代社会や人間一人一人に現実の影響力を与えていると信じているわけです。

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(コキュートスにて凍るサタンーダンテの『神曲』)

彼らのイメージする「悪霊」は、目に見えない超人間的な強力な存在であり、この物質世界を飛び回りながら「社会としての人間たち」や、その中の個々の人間に様々な悪い影響を与る存在であるようです。エホバの証人の出版物の表現を借りるならば、「悪霊たちはある人々を病気にかからせ、ある人々に対しては,睡眠を妨害したり,恐ろしい夢を見させたりして,夜中にいやがらせをし、性的に虐待する場合も」あるそうです。そして、「発狂や殺人や自殺にまで人々を追いつめることも」あるようです。

エホバの証人の人たちは、ある特定の媒介物、神社のお守りや葬式で配られる葬式まんじゅう、特定の過激な音楽のCDやジャケットなどに悪霊が取り付くことがあると本気で信じており、異常なほど神経質にこれらの「媒介物」を避ける傾向があります。また、「エクソシスト」などのホラー映画を見ると「悪霊の影響を受ける」という強迫観念的な恐怖感を抱いている信者は多く、さらには、一部の精神疾患についてもその原因が「悪霊の攻撃」であると解釈される場合も少なくありません。

これら信者たちの「悪霊の存在を完全に現実のものとしてとらえる傾向」は実に強く、エホバの証人組織内での「実際に悪霊を見た」・「悪霊の攻撃を受けた」というまことしやかな体験談についての具体例を挙げると、枚挙にいとまがありません。
(こうした「まことしやかな悪霊についてのうわさ話」のいくつかの実例は、下の脚注部分に挙げてあります。)

さて、エホバの証人内部において確信を伴って語られる、それらの「悪霊現象」の正体は、本当のところ何なのでしょうか。エホバの証人内部において、ここまで「悪霊の存在に対する信仰心」が鮮明であることは、この組織の本質について何を示唆するのでしょうか。こうした鮮烈な信仰は、内部の信者にどのような影響をもたらしているのでしょうか。今回はこういった点について、いろいろ考えてみたいと思います。

参考ーエホバの証人内部に見られる有名な悪霊話

*その①―『笑うワラビ』

・「群れの奉仕」にエホバの証人の何人かの兄弟姉妹たちが参加していて、奉仕終了の後に「みんなでワラビを採ろう」という話になり、兄弟たちはちょうど集合場所だった「ある神社」でワラビを採り始めた。しばらくして司会者の兄弟が「ここは悪霊の影響がある場所かもしれないから場所を移動しましょう」と指示したが、普段から反抗的な二人の姉妹がこれに従わず、その神社の境内に残って取り続けた。姉妹たち二人がワラビを取り続けていると、どこからともなく不気味な笑い声が聞こえてきた。二人は不思議に思ったが、そのうちその声は聞こえなくなったので気にしなくなった。二人はわらびを取り終わってから一方の姉妹の家に行き、台所にワラビを置いて応接間で「肩がこったわよね」と会話していた。すると、再び不気味な笑い声が聞こえてきた。その声は前よりも大きく、二人はその声が台所から、そして、ワラビの中から聞こえてくることに気づいた。しかし二人は「自分たちにはエホバがついているから大丈夫だ」と思っていて「サタンが出てきたなら肩でも揉んでもらいましょうか」と言った。すると突然その二人の首の骨が折れ、一人はすぐにその場で死んでしまいもう一人は重体になり、その後その生き残った方の姉妹がこの話を語り継いだ。

*その②-『聖霊が見える研究生』

・関東地方のどっかにいるあるおじさんには、「神様」がついていて、自分に危害を加えようとする人を吹き飛ばす力が備わっていた。ある時などは、パチンコ屋から出てきて帰ろうとしたとき、間違えてヤクザの自転車に乗ってしまい、「オイ待てコラ!」といわれたおじさんは、恐怖のあまりその相手を吹き飛ばしすぎてしまい、そのヤクザは30メートルも飛んでしまった。後にこの出来事は「○○市の男性、なぞの飛行を経験」と地元新聞の記事にもなった。
やがてそのおじさんの成人した娘がエホバの証人になりバプテスマを受けた。おじさんは、その娘にも「神様」がついたことを感じ取り、「自分の神様」と「娘の神様」のどちらのほうが強いのか確かめたくなり、あるときテレビを見ている娘の後ろから、邪悪な気を送って娘を吹き飛ばそうとしてみた。そうすると娘も「何か邪悪な気」が来るのを感じ取り、とっさにエホバに祈った。するとおじさんの神様は、娘には何もできないのだった。自分の神様より娘の神様のほうが強いとわかったおじさんは、エホバの証人と研究を始めた。ところが聖書を読もうとすると、悪霊が邪魔して、聖書が全部真っ白な紙になってしまって何も読めない。そこで、バプテスマを受けた自分の娘が聖書に指をさすと、そこから一筋の光が来て1行読むことができた。おじさんいわく、それが「エホバの聖霊」であるとのこと。もう少し霊性の高い研究司会者が指をさすと、もう少し強い光が来て、2・3行読むことができた。そして、研究に参加した長老が聖書を開くと稲妻が走るかのように聖霊が見えるのだった。
そのおじさんが進歩して王国会館に行こうとすると悪霊が妨害をし、家を出たとたんにばったり倒れてしまい、救急車で運ばれることもしばしばだった。マンションの壁を乗り越えて飛び降りようとさせられたこともあった。ところが一歩王国会館内に入ると、悪霊の妨害は一切やんだ。そして、王国会館全体と、集会参加者一人一人に、例の光(=エホバの聖霊)がさし、光で包まれてるのが見えた。一人一人の聖霊の量には明らかに差があり、多い人もいれば少ない人もいた。注がれる光がとりわけ多い人がいて、その人は誰かと尋ねたら、長老だった。他方、光がまったくさしていない人がいて、それは「居眠りしている人」と「排斥されている人」だった。集会が始まり、長老が演壇で聖書を開くと、そこから出る聖霊の量は半端ではなく、またも稲妻が走るように見えた。
おじさんがその後どうなったかは知られていない。

*その③『悪霊にとりつかれた王国会館』

・宮城県T市の会衆の王国会館は2階建てで、2階部分は普通の民家のようになっていて人が宿泊できるようになっていた。ある夜、その会衆の一人の姉妹から長老に「反対者の主人の迫害にあっているのでその王国会館の2階に泊まらせてもらえないか」と連絡がきて、姉妹はそこに泊まることになった。姉妹が王国会館に着いたすぐ後に、その姉妹から再び長老に連絡がきて、姉妹は「悪霊の攻撃を受けているので助けて下さい」といってきた。その会衆には長老が一人しかいなかったので、長老はもう一人奉仕の僕の兄弟と一緒に、その王国会館へいった。
二人が王国会館に入ると、その姉妹は完全に悪霊にとりつかれていて、本人のモノではない不気味な男の声で、卑猥な言葉や神を呪う言葉を言い続けていた。二人は姉妹を囲んで一晩中エホバに祈ったが、悪霊は姉妹からでていかなかった。一夜があけて、兄弟たち二人は、「こんなに悪霊が強力なのは、きっと何か悪霊が取り付いていられる物があるからで、その媒介になっている物を見つけ出して処分しよう」という結論にいたり、二人は王国会館内をいろいろ探した。出所不明な古い壺があったので、それを外で割ってみて、もう一晩様子をみることにした。その夜も姉妹は変わらず悪霊にとりつかれて、一晩中卑猥な言葉を言ったり、神を呪う言葉を言い続けていた。一夜あけて兄弟たちは王国会館中を探しまわったが、悪霊が取り付いているらしき物はみつけられなかった。
困った二人が二階に戻ってきて、ふと目に入ったのがふすまだった。そのふすまはとてつもなく古いもので、考えてみると二人ともそのふすまがどこから来たのか全く知らなかった。そして、そのふすまからは非常に強い邪悪な気が感じられた。兄弟たちはふすまを取り外そうとしたが、どんなに力をいれてもなぜかふすまは外れなかった。二人はふすまを破るしかないと考え、力一杯蹴破った。彼らが驚いたことに、ふすまの中身の紙には全て「お経」が使われていて、悪霊はそのふすまに取り付いていたのだった。
ふすまが壊されると悪霊はすぐに姉妹と王国会館からでていったが、でていく間際に「せっかくよい隠れ場所をみつけたのに」と捨てゼリフを吐いていった。ちなみに姉妹に取り付いた悪霊は、一晩中神をのろっていた際に、兄弟たち二人しかいないはずなのに、誰もいない場所をみながら「みんな座っているのにどうしてお前だけ立っているんだ」とずっと言っていたとのこと。あとで兄弟たちは、それは助けに来てくれたみ使いに向かって話しかけていたんだ、と確信した。

*その④『悪霊と賛美の歌、そして残りの者』

・アメリカのある州で、エホバの証人の姉妹が(例によって)悪霊に取り付かれた。会衆の長老たちが姉妹を囲んで何度も祈ったが、(いつものように)悪霊は強力で姉妹からでていこうとしない。困り果てた長老たちが、ブルックリンべテルに電話して相談してみた。電話にでたべテルの兄弟は「そしたら集会が終わった後に、会衆みんなで王国会館に残って、その姉妹と一緒に『賛美の歌』を歌い続けてなさい」と指示した。
次の集会の終わった後、長老が会衆全体に事情を説明し、都合の良い人に残ってもらってみんなでずーと賛美の歌を歌い続けた。その悪霊につかれた姉妹も参加して、最初姉妹は自分の声で歌っていたが、歌が続くにつれ、その声がだんだん低くなり、次第に男の声になっていった。みんなが賛美の歌を歌い続けると、姉妹の声はますます低くなっていった。
最終的に、姉妹の声は身の毛のよだつような悪霊の声そのものになり、その時点で悪霊はついに耐え切れなくなったらしく、姉妹からでていった。その姉妹からでていく時、悪霊は会衆全体に聞こえる大きな声で「このことを教えたのは残りの者か!!」という捨てゼリフを吐いていった。後で会衆の長老たちが、再びブルックリンべテルに電話をして事の顛末を報告した時、最後に、前回「賛美の歌」についての指示をしてくれた兄弟にでてもらい、その兄弟が残りの者かどうか尋ねた。
兄弟は「そうですよ」と答えた。

*その他の雑多なハナシ

・よく耳にするのは「コックリさん」がらみの怖い話。「若い高校生の兄弟が学校でコックリさんをやった。霊との交信の最中におかしな生暖かい風が吹いてきて、その兄弟は「霊」を見てしまって、家に帰ってからは何も言わずにガタガタ震えいて、翌日になったら死んでしまった。」など。

・「王国会館の天井に、その会衆の姉妹の姿が張り付いてた」という話もいろんな変形バージョンが各地に存在。
「ある兄弟が夜中に王国会館を通りかかったら、誰もいないはずなのに王国会館から青白い光が見えて、気になって鍵を使って入ってみた。すると、煙のようなものが立ち込めていて、会衆の姉妹が王国会館の天井にさかさまに張り付いていた。兄弟が驚いていると、その姉妹の姿は煙のように消えてしまった。不振に思った兄弟がいろいろ調べると、その姉妹は悪霊崇拝をしていたことが判明した。」など。その姉妹は堕胎をしていたことが判明したバージョンもあり。

・子供にだけ悪霊が見える系の話も多く存在。
「ある王国会館(青森の恐山近辺とか、出雲市の王国会館とか)では、集会中に子供たち全員にだけ、窓の外にものすごい恐ろしい姿のたくさんの鬼がいるのが見えるとか、ある姉妹が再訪問先にあがらせてもらうと、いつも子供だけが、壁に飾ってある遺影の目が動いて自分たちを追うのが見える。」など。