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2006年3月12日

エホバの証人問題を整理する-8

Ⅲ.『エホバの証人問題』の根本原因と本質

 
 
1.根本原因 -欺罔(ぎもう)行為と錯誤-
 
 
 
(1).ここまでで、いわゆる『エホバの証人問題』としてとりざたされているのではないかという、いくつかの問題をザッと概観したわけなんですが、そもそも、エホバの証人に関わったたくさんの人が非常に強い挫折感や理不尽な思い、義憤を感じることとなっている、その根本原因は何なのかという点を、ここで考えておきたいと思います。

どせいさんとしては、一言で言ってしまうと、『エホバの証人問題』の根本原因は「欺罔(ぎもう)行為と、それにより引き起こされた錯誤が存在する」という点にあるのではないかと思います。

簡単な言葉で言うと、エホバの証人組織、特に『統治体』と呼ばれるエホバの証人の最高意思決定機関が、その信者に対し、ある重大な事実を意図的に隠し、或いは、偽りの事実を真実であると意図的に信者に伝えており(=欺罔(ぎもう)行為の存在)、それによって信者全体が錯誤状態(すなわち真実とはかなり異なった事実を真実として認識し、それにもとづいて重大な決定を下す状態)に陥らされているのではないか、ということです。

しかも、この、エホバの証人組織が信者全体に対し意図的に隠している「事実」というのは、その事実の存在をただ知ってさえいれば、大多数の人は根本的に異なった決定をしたであろうと一般的に考えられるほどの、重大な事実であるといえると思います。

つまり、エホバの証人信者の人たちが、資産を蓄える機会・教育を受ける機会・結婚したり子供を生む機会等を事実上「エホバの証人組織」に制限されているとはいっても、自ら真に納得の上で、自主的にそれらを放棄したのであれば、それは何ら深刻な社会問題ではなく、また、信者本人も後になって極度の後悔や挫折感にさいなまれることもないのではないかと思います。

ところが、これまでエホバの証人信者となった、おそらくほぼ全ての人は、この重大な事実を告げられず、意図的に誤った事実を告げられたがゆえにこの宗教に入信しているという実体がある(ようである)ため、この宗教の信条に基づいて、人生の重大な(ある場合、取り返しがつかない)決定を行い、後になってそのひた隠しにされていた事実を知らされ、或いは信じ込まされていた事実が偽りであると知らされた場合に、非常に強い喪失感・挫折感・義憤等を感じることになっている、ということのように見受けられます。

エホバの証人をやめた多くの人は、まさしく「だまされていた」と感じるとともに、「真実を知ってさえいれば決して行わなかったであろう様々な重大な決定」を行ってしまったこと、そしてそれらが全て「自らの決定で行った」とみなされるところに、理不尽さや怒りや挫折感を覚えるという状況が存在するといえるのではないかと思います。

また、そのように意図的な欺罔(ぎもう)行為(と思える状況)が存在する以上、周りとしても、「それは自分でわかってて決定したことですよね」とはとても言いがたい状況であるといえ、エホバの証人と関わり傷ついたという人たちを、自己責任論で切り捨てるのではなく、社会問題として取り組んでゆくべきではないかと考えられる、ということです。

 
 
ではその、エホバの証人組織が、信者に対し行っている明らかな「欺罔(ぎもう)行為」(と思えるもの)とはどんなものなのでしょうか。

 
 
 
(2).隠されている事実

ア. 今回のシリーズの始めのほうでも書きましたが、エホバの証人の信者の人たちは、もともと宗教には接点や関心のない、良識あるごくごく普通の一般人だった、という方が大変多い一方で、短期間のうちに自分たちの宗教信条を完全に現実世界にリンクさせて考えるようになり、「あと数年のうちにハルマゲドンがやってくる」とか、「エホバの証人組織に属していなければ永遠に滅ぼされる」とか、「世の人(=エホバの証人信者以外の人)との接触は必要最低限にしなければならない」などと本当に真剣に考えるようになった人ばかりであるといえるのではないかと思います。

この、「信仰の世界を現実世界に完全にリンクさせる」というのは、エホバの証人の際立った特徴であり(もっとも、エホバの証人たち自身はこの特徴を「生きた信仰」等と呼び、自分たちが「真の宗教」を実践している証拠ととらえているわけなんですが)、彼らは自分たちの生活の様々な決定において「信仰」や「組織の提案」を最優先にし、しかも切迫感を感じさせるほどに優先させるわけなんですが、エホバの証人信者がここまで信仰の世界と現実の世界をシンクロさせる背後には、エホバの証人の独特の聖書理解が存在します。

そして、この聖書理解についての説明がとても論理的になされるために、もともと宗教には縁も関心もなかったというごくごく一般の正直で良識ある主婦などが、大きな抵抗もなく、極めて強い「エホバの証人の」信仰の世界へと入ってゆくように見受けられますし、信者であるほとんどの人は、自分が「理性的な決定をしている」とか「証拠があって信じているんだから間違いない」と強い『安心感』を抱いているようです。

ではその聖書理解についての説明とはどのようなものかというと、端的に言って、エホバの証人組織は「1914年」という年号を特別の年号として信者に教えており、この年号についての理解が、エホバの証人信者の「信仰と現実世界のリンク」の根幹になっている、といえるかと思います。

この点については、この日記の「その15~その34」あたりで長々と書いてありますが、簡単に要約すると、

①エホバの証人信者は1914年に、聖書でいう「終わりの日」が始まったため、今はハルマゲドンまで秒読みの段階・世界的滅びの直前の時期であると教えられており、また、

②その年が特別の年であることを事前に言い当てていたのは「エホバの証人組織」だけだったので、その事実は「エホバの証人組織」だけが聖書を正しく理解する組織である証拠となっていると教えられており、さらに、

③その年に天でキリストが王権を取り、その後キリストが地上にある多くの宗教を調べた結果、自分の代表する地上の組織として「エホバの証人」だけを選んだ、と教えられている(よう)です。

つまり、1914年という年代についての教えは、①聖書予言が今この時代に成就していて、この世の終わりは切迫しているという考え、②真理はエホバの証人組織以外からは得られないという考え、③エホバの証人組織に属し、その指示に全面的に従うことが滅びを生き延びる唯一の方法であるという考えの根拠になっているということであり、この教えが、「エホバの証人」を他の一般的な宗教とは完全にその性質を異ならせているといえるのではないかと思います。

 
 
ちなみに、なぜ「1914年」という具体的な数字が出てくるのかというと、大まか次のような考えに基づいているようです。

すなわち、

・聖書のダニエル書4章に、「大きな木が切り倒され、『7つの時』が過ぎると再び木は成長を始める」という幻が書かれており、その『木』は、イスラエル民族によって代表される神の宇宙の支配者としての権威を表す。
・イスラエルが滅ぼされたのは紀元前607年のエルサレム攻略の時なので、その時から『7つの時』がすぎれば神の支配権は再び示されるところ、黙示録によると、「1つの時は360日」なので、「7つの時」は2520日であり、民数記によると「1年は1日」なので、2520日は2520年になる。
・紀元前607年から2520年が過ぎると西暦1914年になる。

という考えです。

これらに加えてエホバの証人は、イエスキリストがマタイ書の中で、「終わりの日」には戦争・飢饉・地震・犯罪といった「終わりの日のしるし」が見られるようになると予言していたとも指摘し、1914年を境にこれらの現象が極端に増加しており、これらは1914年が終わりの日の始まりであること(=同時に、その年代の特別さを示唆できた自分たちは神に認められた救いのための唯一の経路であるということ)の目に見える証拠である、と信者たちに繰り返し教えているようです。

 
 
このように、1914年という年号を巡り、

一、その年号は聖書予言を正しく計算すれば正確に算定されるということ、

二、その年号を境に「終わりの日のしるし」が急増しており、それが、この年号が特殊なものであることの目に見える証拠である、

という説明がなされており、これらの2点が、まさしくエホバの証人信者が、ハルマゲドンが現実に近づいていおり、その滅びを免れるには「エホバの証人組織」に全面的に従うしかないと考える大もとの根拠であり、同時に、この現実世界で資産を蓄える機会・教育を受ける機会・結婚したり子供を生む機会等々を自ら放棄し、子供に過酷な制約を課し続ける根拠となっているといえると考えられます。

 
 
そして、まさに、全ての根幹となるこの考え2点に関して、エホバの証人組織は、信者に対し「欺罔(ぎもう)行為」と言わざるを得ない行為を行っているように思えます。

 
 
すなわち、どうやらエホバの証人組織は、

一、1914年という年号は聖書予言からは正しく算定されはしないということを知りながらそれを隠しており、

二、その年号を境に「終わりの日のしるし」が急増していると、信者に印象付けるため、明らかに真実ではないと考えられる事実を真実として信者に教え込んでいる

 
 
みたいなんですね。

 
 
 
 
(どのように一、事実を隠し 二、偽りと思える事実を教え込んでいるのかはまた次回。)