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JW.com » エホバの証人問題を整理する-9

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2006年3月27日

エホバの証人問題を整理する-9

イ.「聖書から1914年は導き出せない」という認識

 
 
(ア). 前述のように、エホバの証人の「一般信者」たちは、1914年という年号が聖書から正確に算出されると教えられているからこそ、非常に近い将来に現実の世界的滅びがやってくると信じて生活している(といえると考えられる)ワケですが、当のエホバの証人「組織」の側について言うと、その年号が聖書から正確に算出されはしないという事実を認識しており、かつ、その事実を一般信者にはひた隠しにしているという現状が存在するようです。

この点、一般的に言ってエホバの証人信者は、『統治体』と呼ばれ、10人前後の男性最高幹部によって構成される、エホバの証人組織の最高意思決定機関の表明する見解に文字通り絶対的な信頼を置いていると言えるのではないかと思います。そして、どせいさんの言う「1914年という年号が聖書から正確に算出されはしないという事実を認識している当のエホバの証人組織」とは、ここでは主にこの『統治体』を念頭においています。

ほぼ全ての一般信者は、この『統治体』に所属するメンバーには神からの特別の霊が注がれており、神と仲間の兄弟たちに対する強い責任感を持ち、長年忠実かつ勤勉に聖書の研究をしてきた世界有数の聖書の研究者たるこれらの最高指導者たちが、日々誠実に聖書を調べ、ことごとに神に祈り、そうした厳格かつ誠実なプロセスを経て様々な見解を表明しているため、その見解には全面的な信頼を置くことができると考えています。

(事実、一般信者たちは、これら『統治体』のメンバーは、その死後には天へ召された、数億の天使たちよりもはるかに高い地位に据えられ、神とキリストに次ぐ「王」として全宇宙を支配すると教えられており、また、彼らが地上で生きている間は、神とキリストを代表する唯一の経路となるため、彼らの指示に従わなければ来るべき滅びを生き残る術はないと教えられているようです。)

「1914年」という年号についての見解も、この『統治体』が、繰り返しその重要性・信憑性を教えるからこそ、信者たちは何らの疑いも抱かずに受け入れ続け、全生活・全人生・全財産についての決定をその見解に合わせているといえるかと思います。

ところが、どうやらその『統治体』のメンバーたち自身が、そもそもエホバの証人教理の根幹たるこの「1914年の計算」に致命的な誤りがあることを認識していると同時にその誤りを隠そうとしており、また、これら全世界の数百万の信者からの高い信頼にはとても値しないような行動をとっているというのが実情のようです。

なぜそのように言えるかといえば、実際に『統治体』のメンバーであった元最高幹部のある男性が、そこで経験した事柄についての極めて正確かつ詳細な手記を作成しているんですね。そのため、その手記に出てくる内容を通して『統治体』の内部での実体がどのようなものであるかという点に関して多くの点を知ることができるようなっているといえるかと思います。

 
 
(イ). ところで、この「元統治体メンバー」の男性が、どのような人物であるかという点が、エホバの証人信者の人たちがその手記を信頼できるか否かという点に当然深く関わってくるので、「エホバの証人信者にとってのこの男性の人物像」がどのようなものであるのかという点について、ここで少し細かめに触れておきたいと思います。

(この(イ)の部分はかなり長くなるので、飛ばして読んでいただいてかまわないと思います。要するに、この人の手記がなぜ信頼できるのかという点について、「エホバの証人信者の視点から見た場合の信憑性」について説明してあります。)

その男性はレイモンド・フランズという名前で、1971年から1980年の間、『統治体』のメンバーだったようです。このフランズ氏は、エホバの証人信者の間で非常に強く尊敬され周知されている第4代ものみの塔協会会長だった故フレデリック・フランズ氏の実の甥であり、そのF・フランズ氏の存在のゆえに「フランズ」という姓は、エホバの証人全体の間ではとても馴染みのあるものであるようです。

このレイモンド・フランズ氏は、世界中の全てのエホバの証人信者が、今現在も聖書研究の手引きの権威書と考える「聖書に対する洞察」という書籍の大部分を執筆した人物であり、また、統治体の成員時代は『執筆部門』・『奉仕部門』という、まさにエホバの証人組織の最中枢で働き、『ものみの塔誌』の記事そのものを執筆していたようです。

エホバの証人組織はたまに、それまでの教えを転換したり撤回したりすることがありますが、その際にはそれらの教義の変更は『見解の調整』などと呼ばれ、『ものみの塔誌』の記事の中でその変更が発表されるわけなのですが、このフランズ氏は、まさにそれらの『見解の調整』の研究記事そのものをさえ数多く執筆しています。
(例:ものみの塔誌日本語版1973年3月1日号158、159頁・1978年6月1日号30、31頁・1980年6月15日号16-18頁。)

これらの事実は、このフランズ氏が、統治体の10数人のメンバーの中においてさえ、最も尊敬され、エホバの証人的表現を用いるならば最も「霊性が高い」と認められていた証拠であると考えられるのではないかと思います。まさしく、エホバの証人教理の根幹部分にもっとも直接的に関わってきた人物といえるわけです。

フランズ氏が統治体に就任した当時は、ダニエル・シドリック、セオドア・ジャラズ、ジョン・バー、ケアリー・バーバーといった、現在のエホバの証人の『統治体』の最古参メンバーたちすら、まだ誰も『統治体』としては任命されていない頃であり、ネイサン・H・ノア、フレデリック・W・フランズ、ミルトン・G・ヘンシェル、ト-マス・サリバン、グラント・スーター等の(=全て故人)、エホバの証人内部では歴史上の人物としての扱いを受けているような人々がそのメンバーであったようです。

つまり、そうしたほぼ歴史的人物とみなされるような人たちの一員であり、かつ、その中でも最も重要な、「ものみの塔誌の記事の執筆」(しかも見解の調整のような、教理の根幹に関わる記事の執筆)や、他の権威ある書籍の作成の仕事を任されるほどの人物であったということです。

後にフランズ氏は、エホバの証人信者の「一兄弟」として、神と兄弟たちへの愛に基づいて物事を深く考えた結果、エホバの証人内部の多くの問題に苦悩するようになり、『統治体』としての立場を降りたわけなんですが、それも『排斥』・『断絶』等の処置を受けたわけではなく、自らの良心に基づいて辞表を書くという形で『統治体』の立場を降り、その後アメリカの地方の会衆の一兄弟となったという経緯であったようです。

さて、これらのフランズ氏の経歴の簡単な概観だけでも、多くのエホバの証人信者にとってはその手記が極めて説得的で、信頼に値するという根拠になると思いますが、どせいさんとしては、この方の手記が極めて信頼できると判断する、強力な根拠が2つあると考えています。

その根拠の1つ目は、①極めて正確な記録に基づいて、大量かつ詳細な事実が淡々と矛盾なく記されている、ということなんですね。

このフランズ氏は(ご自身で言ってるんですがその性格上)非常に正確な『備忘録』を事あるごとにつけており、いつ、誰が、どのような発言をしたかについての記録を大量に保有していたようなんですね。

また、自らが1939年にバプテスマを受けただけではなく、その両親ともにエホバの証人信者であり(父親のバプテスマは1913年)、その祖父母4人のうち3人までがエホバの証人信者という家庭に育ち、後に『統治体』の執筆委員として働いたというその背景ゆえに、一般のエホバの証人信者が決して目にすることができないような、過去のエホバの証人の出版物およそ全てにも接することができたし、個人的にも大量に所有しているわけなんですよね。

結局、後に記したその手記というのは日本語にも翻訳されて出版されているんですが、500ページ近くにも及ぶ長いもので、その中では、統治体や他のエホバの証人幹部の人たちが、いつ・どこで・どのような発言をしたかとか、多くのエホバの証人が今も「権威」とみなす教えや文書がどのように作られていったかが克明に書かれたりしているんですが、それらを読むと「これほど詳細な情報が、これほど大量に記されているのに、全く矛盾なく淡々と主張をすることができるということは、いかにそこに書かれている主張が正確で、実際に起こった事実のみに基づいて書かれているかを物語るものだ」という印象を受けるんですよね。

簡単に言うと、非常に細かく、説得力があるので、どう考えても「真実の響き」がするんですよね、この手記。

さらに、この手記が極めて高い信頼に値すると考えられる、別の強力な根拠は、②この手記の中でフランズ氏が、エホバの証人の教理や組織がどのように変化してゆくかをかなり前もって「予言」しており、そしてそれがそのとおりに現実化している、という事実があるということなんですね。

一例をあげると、例えば、エホバの証人組織は長年にわたって、「1914年以前に生まれた人が死に絶える前にハルマゲドンが現実にこの地球にやってきて、エホバの証人以外の人間は、赤ん坊も含めて全て滅ぼされる」という教義・予言を全面的に出して、多くの信者を獲得していたという背景が存在しました。エホバの証人内部では「この世代」というイエスの述べた言葉の解釈として、その教義が説明されていました。

そしてその手記によると、フランズ氏はすでに1970年代後半の時点で、その解釈がおかしいということを統治体の会議で述べたそうなんですね。ちなみに、その手記が初めに英語で出版されたのは1983年だったそうです。後にフランズ氏はその手記の(1994年9月版)の第八刷の中でも、『統治体』が、もはやその成就がかなり怪しいと思われる「この世代」についての予言から逃れたいと考えていること、1914年の教義はそのままで「この世代」の予言だけを捨てるのが彼らにとって一番の逃げ道であることを指摘したみたいなんですね。

そして、その指摘の13ヵ月後に、まさにこの指摘どおり、「1914年の教義はそのままで「この世代」の予言だけを変更する」見解の調整が、ものみの塔誌1995年11月1日号に載せられたわけなんですね。

他にも別の例として、1983年の手記の初版の中で、当時の絶対的な権威者であったフレデリック・フランズ会長がいずれ死んだ場合、ミルトン・ヘンシェルが会長になって再編成がなされるであろうことが書かれていたわけなんですが、実際1992年12月22日にフレデリック・フランズが死去した後にものみの塔協会の会長になったのはミルトン・ヘンシェルだったわけです。

 
 
 
これらの2つの点は、このレイモンド・フランズ氏が、エホバの証人の教理そのものやその制定過程、また、組織の中枢の情況について極めて正確に精通しているという、疑いを差し挟みがたい事実の明確な証拠であり、こうした状況を考えると、彼がその手記の中で語る事柄が極めて信頼できるものであるといえるのではないかと思います。

さてでは、その手記の中には、「1914年」という年号についての『統治体』の認識につき、どのようなことが書かれているんでしょうか。