2005年7月10日
映画野郎③
一応「トゥルーマンショー」のあらすじ。
トゥルーマン(ジム・キャリー)は、まあまあな町に、まあまあきれいな奥さんや友人と、まあ不自由の無い生活を送る平凡な保険会社のセールスマン。彼の仕事・家・家庭、その他すべての生活環境は全部「まあ中の上」くらいの感じ。エホバの証人のパンフレットにでも出てきそうな、モデルタイプの穏やかさが売りの,まさに平凡人生。
ところが例によって、トゥルーマンの身の回りで「何か妙な出来事」がおき始め、彼は自分の周囲の「不気味なほど穏やかで平凡な日常」に疑いをもちはじめる。実は、彼の生活は、彼の生まれたときからノン・ストップの24時間生放送テレビ番組として世界中に放送中。彼の町は超巨大ドームの中のセット、彼の奥さん・友人・町の人は、すべて役者とエキストラ。事実を知らないのは番組の主人公、トゥルーマンだけだった…、てな感じ。
さて、この映画。そりゃね、突っ込みを入れようと思えばいくらでも突っ込みたい部分は出てきますよ。
そもそも何十年も順調にだまされ続けてきたのに、ここにきて何でスタッフの凡ミスが相次いだぐらいで、いきなりトゥルーマンが矛盾に気づくのか?とか。
奥さん役の役者については「おまえさんの人生それでいいのかい?」( ̄∇ ̄;)とかね。
までも、ドラマや映画の内容について無意味な突込みを入れるのはかなりイモな行動だというのは、万国共通のコンセンサス。ここは大きな心で気にしないのが一番。
(^∀^)アハハハハ
それはさておき、このハナシの主人公のトゥルーマンは、どせいさん的には、とてもけなげで純粋な感じがして、キャラとしてはとても好印象。後ろから「ガンバレ!」といってあげたくなるような感じ。(>_<)
このトゥルーマン、とても穏やかで、ほんのちょっと物足りなく感じる以外は何不自由ない自分の周囲の環境が、実はなんかとても奇妙だってことにある時から気づき始める。
そして、自分の周りの世界に疑問を感じたというのもそうだけど、もう一つの別の理由として、彼は信念に近いような強い「願い」をずっと抱き続けていて、その願いを果たすために、ついに行動に出るわけですよ。
(>∀<)ゾクゾク
ま、その願いっていうのは、初恋の人にもう一度会いたいっていうことなんだけど、この思いを果たすために、自分の恐怖の象徴だった「海」を越えてゆこうとするわけです。
ま、このあたりがね、どせいさんとしては、与えられた環境の中で、物事についてのそれなりにすべて筋の通った答えを与えられてはいたけれども、イそれが「どこか」変だと感じたり、自分自身の中にある「正義」や「公正」といった感覚に照らして、どうしても納得がいかない、と思って、今まで「恐怖」の対象でしかなかった「この世」を見てみようと思うようになった2世たちの姿と重なったりするわけなんですよね。
(^∀^)うんうん
トゥルーマンは最後に、巨大セットの端っこまで行き着いて、無限の海と思っていたものが、実は限りある人口のセットだってことを知るわけです。
あそこで彼はどう思ったんだろ?
なんかおかしいと思っていた自分の考えはやっぱり正しかった、と思ったのかな?
恐怖の対象だった海や、自分の今までの世界が作り物だと気づいて、心地よい「拍子抜け」を感じたのかな?
まだ見ぬ外の世界に無限の可能性を感じて、とてつもない期待が見る見る膨らんだり、あるいは不安や恐れを抱いたりしたのかな?
あそこで彼が感じたであろう感覚って、エホバの証人をやめようと決意して、今までシャットアウトされてた情報を全て得ることができるようになった人が最初に感じる感覚と同じなんじゃないかと思う。
そして。
まさにそのシーンで、「トゥルーマンショー」のプロデューサーが、セットの空からマイクを使って彼に話しかけるんだよね。
「元の世界にもどれば?」って。
空から聞こえたその声は、トゥルーマンには、神様の声に思えたはず。
でも彼は、その声には従わないんだな、これが。
多分外に出るには「勇気」が必要だったと思うよ。
でもね、自分の心に芽生えた「外への気持ち」を抑えられはしないんだよね、多分。
そして何より、初恋の人にもう一回会いたい、ていう強い願いもあったしね。
どせいさんはね、
自らの人間性にかけて、これからも「何かおかしい」と思った多くのエホバの証人が、作り物の世界から出て来れたらいいな、と思う。
もしニセの神様から恐怖で恫喝されて「戻って来い」といわれても、外に出る「勇気」をもてたらいいと思う。
自分の心に芽生えた、正しい意味での「外への気持ち」を抑えないでいられたらいいと思う。
そして何よりね、大学に行くことかもしれないし、好きな人と一緒になることかもしれないし、人によってそれぞれ違うんだけど、作り物の世界から抜け出して、外の広い「本当の世界」へでて、そこでやってゆくことを内側から動機づける、何らかの強い願い・夢をもてたらいいな、と思う。
ま、エホ証やってたひとがいろいろ教訓引き出せる映画はほかにも山ほどあるわけですよ。
たとえば、「ショーシャンクの空に」。