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JW.com » エホバの証人問題を整理する-11

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「エホバの証人」についての情報サイト

2006年4月19日

エホバの証人問題を整理する-11

ウ.歪められた情報の積極的提示

 
 
(ア).さて、前回の日記では、エホバの証人組織の絶対的権威である『統治体』が、1914年云々の教理の根拠が事実に反するという点を明確に認識しているにも関わらず、信者にはその事実をひた隠しにしている(らしい)点を指摘しました。

もっとも、ただ単にこの事実を隠そうとしているというだけなのであれば、エホバの証人組織が「欺罔(ぎもう)行為を行っている」とまでは言えないのかもしれません。

「その年号が正しいかどうか勤勉な研究を続けているところなのだろう」とか、「組織の発展の途中でその教理の誤謬に気づいたもののどうしようもなかったのだろう」とか、とにかく『統治体』の行動を善意に解釈し、「確かにいくつかの事実は隠しているのかも知らんが、そこに悪意はないのだろう」と考える人もいるかもしれません。

ところが、エホバの証人組織は、単にこの事実を隠しているのみならず、残念ながら、どうやら、積極的に事実を歪めた情報を信者に教え込み、あたかも自分たちの教えが現実の科学的根拠により確実に裏付けられているかのように信じ込ませている、と言われても仕方がないと思えるような常態にあるようです。

そしてこのことは、多くのエホバの証人信者たちが、自分たちの教理は現実の証拠に裏付けられていると信じているからこそ、全人生をこの宗教に捧げているという点、裏を返すと、もしエホバの証人の教理が現実の根拠を欠くということなのであれば、恐らくはこの宗教には入信しなかったであろうごく普通の人たちであるという点を考えると、エホバの証人問題のまさに本質に関わる重要な点であるといえるのではないかと思います。

では、エホバの証人組織はどのように「積極的に事実を歪めた情報を信者に教え込んでいる」と解釈されかねないような行動をとってきたのでしょうか。

 
 
 
(イ).どせいさんはこの日記の『その79』の中で、エホバの証人組織は「1914年という年を境に『終わりの日のしるし』が急増しており、それが、この年号が特殊なものであることの目に見える証拠である」と信者に教え込んでいるという点を指摘しました。

そして、「積極的になされている事実の歪曲」というのは、特に、この「『終わりの日のしるし』が急増している目に見える証拠」なるものに関してなされているように思えます。

つまり、エホバの証人組織は、

「イエス・キリストは終わりの日には戦争や地震といった『終わりの日のしるし』が見られると予言しました」

といった説明をし、それから

「1914年以前の2,000年間と比べて,1914年以後の年間平均地震発生率は20倍も増加しています」とか、

「1914年には第一次世界大戦が勃発しました。そして、第一次世界大戦は歴史の大異変の一つであったと専門家は述べています」というような趣旨のことを、

様々な一般の資料への言及とともに、示すことが多々あります。

もともと聖書そのものに関心がなかったという一般の人でも、

「こうした一般の資料に裏付けられた現実の証拠が多く存在するのであれば、1914年以来この世の終わりは急速に近づいているという教えも正しいのかもしれない」

と考えるようになり、やがてこの宗教の信者となるということがしばしばあるわけですが、まさにこの「一般の資料に裏付けられた現実の証拠」に関して、事実の歪曲が行われている(ような)んですね。

この点に関しては、村本さんという、エホバの証人信者ではないアメリカ在住の日本人の精神科医の先生が、極めて詳細で興味深い見解をご自身のウェブサイトで公開されており、どせいさんもその情報を読んだうえで、その情報に基づいて上の文章を書いていますので、この日記の読者の方も、そちらのサイトをご覧になることをお勧めします。

→ そちらのサイト (「終わりの日のしるし」とは何か?)

ただ、非常に多岐にわたる情報が掲載されていますので、この先生がどのようなことを述べているのか、どせいさんが勝手に興味深いと感じた点について、その概略を簡潔に書いておきたいと思います。

(ウ).まず、この先生の指摘の中で最も興味深い点は、
ものみの塔協会はその出版物の中で、いわゆる権威者といわれる学者や、権威のあると考えられている出版物を引用する時に、前後関係や筆者の意図を無視して、ものみの塔にとって都合の良い部分だけを抜き出して引用した上で、自分たちの主張が権威付けられたような誤った印象を読者に与えていること、しかもこうした欺瞞的で卑怯な方法を繰り返し繰り返し使っている、ということの指摘です。

例えば、この村本先生のサイトの中では、1983年8月15日のものみの塔誌6ページにある、マサチューセッツ工科大学地球惑星科学学部のケイイチ・アキ教授の言葉の引用について、詳細な指摘がなされています。

ものみの塔誌のその部分には、

『マサチューセッツ工科大学地球惑星科学学部のケイイチ・アキ教授は,1500年から1700年までの期間にも地震は活動的であったが,「過去100年間に大きな地震の規模とひん度が増大したことは明らかである」と述べています。』

と書かれています。

この引用は、マサチューセッツ工科大学の教授が、ものみの塔協会の「1914年を境に地震が急増している」という主張を客観的・科学的に支持し、保証しているという強いイメージを間違いなく読者に与えるものであると思います。

ところが村本先生はこの引用につき、この教授は、「地震が増えたように見えるのは(apparent surge)地震の記録の改善と人間社会がより地震の被害にもろくなったせいである」ということを述べたのであり、ものみの塔は、この「apparent surge」を「見かけ上の増加」と訳すべき所を、前後関係を無視して、「明らかな増加」と解釈させていることを指摘しています。

また、ものみの塔がこの教授の言葉を、その後に続く「地震の記録の仕方が改善したことと、人間社会が地震に対してより被害を受けやすくなったことによります」という前後関係を切り離して示すことにより、この捻じ曲がった解釈を可能にさせている、という点についても言及されています。

事実、安芸教授ご本人が、後に

「私は過去1000年間にわたって地震活動は安定していると強く信じています。私はエホバの証人たちに、1500年から1700年の中国の記録を使って、この地震活動の安定性をわかってもらおうとしたのですが、彼らはその出版物の中でこの点に関してはわずかの強調しかしませんでした。」

とか、或いは、

「彼ら[ものみの塔]が自分たちの欲しい部分だけを引用して、私の手紙の趣旨を無視したことは明らかです。」

と述べており、これらの発言についても、安芸教授ご本人の書いた手紙のコピーとともに、村本先生のウェブサイトで公開されています。
(その場所→「終わりの日のしるし」-地震活動は変化しているのか?

 
 
このように、ものみの塔協会が自分たちの主張を支持するために引用した権威者は、実はものみの塔協会の主張を完全にくつがえす証言を与えているという事実、ものみの塔は引用された筆者の元の意図を全く無視し、正反対の結論をその引用から導きだしている、という事実を村本先生は的確に指摘されています。

また、村本先生によると、このものみの塔の欺瞞的な引用の曲解は、この団体の常套手段であり、このやり方は他の出版物の中でも瀕回に使われているようです。

今回考えている、「1914年の特殊性」に関する、一般の権威者の証言の引用だけを考えても、そうした欺瞞的引用の曲解が繰り返し行われているようです。

たとえば、ものみの塔協会が1981年に発行した「王国が来ますように」という本の115ページには

『「第一次世界大戦は歴史の大異変の一つであった」-バーバラ・タッチマン著、「ガンズ・オブ・オーガスト」、1962年』

と書かれているそうですが、この歴史家、バーバラ・タッチマンの著書を実際に見てみると、ものみの塔協会の引用したのは、その文章の後半の部分だけであり、実際の原典の文章全体は、

フランス革命と同様に、第一次世界大戦は歴史の大異変の一つであった。』

となっているそうです。

これも、村本先生の指摘どおり、ものみの塔協会が前後関係をあえて無視して「権威者」を引用すること、その一方で、引用された実際の原著では、著者がものみの塔協会の結論と全く別の結論を出しているということの、極めて単純でわかりやすい例ではないかと思います。

 
 
同じく「王国が来ますように」の115ページには、

 
 
「1914年に世界は結合力を失い、以後それを取り戻すことに成功していない。…この時代は国境の内外において著しい無秩序と暴力の時代になった」-エコノミスト(ロンドン)、1979年8月4日号

という引用があるそうです。

しかし、このエコノミスト誌の編集者はこの文の中で、本当は1914年以後の世界と1789年から1848年にかけての世界とを比較して論じているそうです。そして1914年以後と1789年以後との間には、戦争、無秩序、暴力などに多くの共通点があることを論じており、この編集者は、歴史は一定の周期で繰り返されること、1914年以後の世界の状況は、それまでに起こった周期的な歴史現象と一致していると結論しているそうです。

もちろんこの結論は、ものみの塔協会の、1914年は「歴史に類を見ない転換点」という主張とは真っ向から対立するものであり、そのことも村本先生は指摘されています。

(その指摘の場所→「終わりの日のしるし」-戦争の歴史

 
 
 
このように、ものみの塔協会は自分たちの教えが科学的・客観的事実に裏付けられていることを繰り返し信者たちに強調し、印象付けるわけですが、村本先生の指摘を読むと、彼らが示す「科学的・客観的事実」なるものには、ものみの塔協会が読者に隠して見せない重要な前後関係があり、彼らはそれら前後関係を無視した上で「権威者」を瀕回に引用し、実際に引用している原著でそれら権威者が述べる結論とは全く反対の結論を読者に印象付けている(らしい)ということが非常によくわかります。

さらに村本先生は、ものみの塔の使うこれら「引用のトリック」以外にも、「統計のトリック」についても指摘されていますし(「終わりの日のしるし」-地震活動は変化しているのか?)、ものみの塔協会発行の『生命-どのようにして存在するようになったか進化か、それとも創造か』と題する本に見られる多くの誤謬や意図的な欺瞞についての詳細な指摘を示しておられますので(ものみの塔宗教と進化論
『生命-どのようにして存在するようになったか進化か、それとも創造か』の考察
)、もし「エホバの証人問題」や、ものみの塔協会の本質に関心がある方で、村本先生のサイトにアクセスしたことがない方がおられれば一度アクセスしてみることをお勧めしたいと思います。

(村本氏のサイトのトップページ:エホバの証人情報センター jwic.com

 
 
 
(エ).以上述べてきたような点を考えると、エホバの証人組織は、1914年云々という、自分たちの存在と主張全ての根幹に関わる教理につき、その明確な欠陥を信者にひた隠しにしているのみならず、積極的に事実を歪めた情報を信者に教え込むことにより、あたかもこの破綻している教理が現実の科学的根拠により確実に裏付けられているかのように信じ込ませている、と言われても仕方がないのではないかと感じられます。

こうした「積極的に事実を歪めた情報を信者に教え込んでいる」とみなされても仕方のない行動からは、まさしくエホバの証人組織が「欺罔(ぎもう)行為を行っている」・「信者を騙している」との結論を下さざるを得ないのではないかと感じられます。